こなつ

チケット・トゥ・パラダイスのこなつのレビュー・感想・評価

4.0
「マンマ・ミーア」のオル・パーカー監督、ハリウッドを代表するアカデミー俳優のジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが「オーシャンズ11」以来の共演を果たしたロマンスコメディ。

プライベートでも長い間友人関係であり、素敵に歳を重ねてきた主演の二人が、絶妙な掛け合いで物語を引っ張っている。

みっともない中高年を演じながらも、底抜けに楽しそうな二人の演技にベタランの堂々としたスター性が見えて眩しかった。

物語は、20年前に離婚して険悪な関係を続けてきた元夫婦のデヴィッド(ジョージ・クルーニー)とジョージア(ジュリア・ロバーツ)が、愛娘リリー(ケイトリン・デバー)の突然の結婚宣言に、「自分達と同じ過ちをして欲しくない」という一心で、仲のいいフリまでして、あの手この手で結婚を妨害する策を講じていくというもの。

ロースクールの卒業旅行に行ったバリ島で、リリーは現地の男性に恋をし、弁護士になる将来を捨てて、出会ったばかりの彼グデ(マキシム・ブティエ)と結婚するという。

会えば険悪なムードで罵り合ってばかりの元夫婦だが、愛娘リリーの幸せを願う気持ちは同じ。娘と結婚相手を何とか引き裂いて、結婚を妨害しようと二人でバリ島へ向かう。

世界最高峰のリゾート地バリ島の絶景が映し出されるスクリーンの美しさ。透き通るような青みを帯びた空、エメラルドグリーンの輝く海、眩く照らす太陽、映画館にいながら楽園の雰囲気を存分に味わえた。

好青年グデ役を演じた若手俳優マキシム・ブティエは、バリ島でモデルの仕事をしていて大抜擢され、今回ハリウッドデビューを果たしたラッキーボーイということだが、大スター相手に堂々とした演技が光っていた。

ジョージアの新恋人役を「エミリー、パリに行く」のフランス俳優リュカ・ブラボーが演じ、リリーの友人役にビリー・ロードとなかなか個性があって面白い俳優達が揃っている。

エンドロールで流れるメイキング映像が最高に面白く、NGシーンなど最後まで観客を惹き付ける演出が素晴らしかった。

ハラハラドキドキも、心揺さぶられるヒューマンヒストリーもないけれど、年齢を重ねても魅力全開のジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの最高の演技にただただ尽きる。
こなつ

こなつ