Akari

エゴイストのAkariのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.4
「エゴイスト」というタイトルがまるで「自分はエゴイストだから」という主人公の言葉に、観た人が本当にそうなのか?「いや、愛だと思う」と返すのを予測したタイトルのよう。

役者さんってすごいな。鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんの二人が圧巻。二人ともとんでもない才能。本当に恋する二人。鈴木亮平さんが演じる人は海外で見たゲイの人のイメージそのもの。美的センスがあり、服、インテリア、仕草、知的さ、味覚など感覚の敏感さ。

前半のラブシーンのイメージで観始めたら、最後は愛のお話だった。

この映画はクィア映画だそう。「ノンバイナリーのクィアな視点」というブログに

「LGBTQ+作品を見るにあたり一番大切なことは、クィアな人もそうでない人も、自分のジェンダー・アイデンティティを一度フラットな状態にして見ることです。」

「今回この「エゴイスト」という作品はゲイのインティマシー・コレオグラファー、LGBTQ+インクルーシブディレクター”クィアな人達”を制作陣に起用していること、
何よりも原作者の高山真さんがゲイであり、その自伝的小説が原作になっています。つまり、これこそがBL映画ではなくクィア映画であることの証明なのです。」

と書いてあって、勉強になりました。

ポスターのロイヤルブルーの色が印象的。この物語によく合ってる。

スコアをとても高くしたのは、鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんへの大拍手と、新しい挑戦のクィア映画という理由。

余韻と謎が残り、みんなはどう思ったんだろうと気になります。

考えてみれば鈴木亮平さんも宮沢氷魚さんも、知らなかったけど松永監督も海外在住経験があるということで、確かに考えてみればコウヘイさんの部屋のスタイリッシュさとか、この映画そのものの雰囲気も洋の爽やかさがあったので、

2023年秋にはアメリカでも公開されると聞いて、海外で更に高い評価を受けるんじゃないかなと期待しています。
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