劇場で見た当時に胸が苦しくうまく言葉にできずに、レンタルで見返しての感想。
話の大筋だけ書いてしまえばなんてことないメロドラマで、普段だったら「え〜何この展開〜」 って思う映画。
なのに、繊細な演技や映像の素晴らしさに打ちのめされた。心に刺さって抜けない痛み。
人物同士が向き合うシーンで、カットを割るのではなく、1台のカメラを左右に動かし画面を揺らしながらそれぞれの顔を映していく手法を多用してて、見る人によってはカメラ酔いしそうだと思った。
私には登場人物の実在感が感じられて映画に没入していった。
ポスターから想像してたが、濡れ場がエロくて終始ドキドキした。
結末を知った上で2回目を見ると、何気ない日常描写だけでも泣けてしかたなかった。
龍太は喫茶店で小銭を落としたが浩輔は自販機で小銭を落としたり、浩輔が歌い踊るコートを回想シーンで龍太も着ていたりと、細かい反復をしてたんだなって2回目で気付いた。
人が人にしてあげられることの限界。
してあげたことで芽生えたもの。
芽生えたけど離れてしまうこと。
人生はままならなくて無常。
原作小説を後で読んだ。浩輔のモノローグが多くて、タイトルのエゴイストの意味がよく理解できた。
月並みですが、家族や理解者がいるのは本当に有難いことだと感じた。普段は恥ずかしくて言えない感謝を伝えるきっかけになった。