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BLUE GIANTのFOILのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
1.0
 [原作込みで酷評してます、ご注意ください]



















 原作からして好きではなかったが、映画になっても変わらず。

 主人公宮本大が世界一のジャズプレーヤーになるであろうことが唐突なインタビューシーンで語られるため、「この先どうなるんだろう」という物語を追っていく楽しみがない、not for me。このシーンが大嫌いで原作は途中で読むのをやめた。
 実在の人物の伝記ものとかドキュメンタリーならわかるが、主人公は創作上の人物であり”すごい人だった”とか言われても「このインタビュー自体作り話だから何とでも言えるだろ」って思ってしまう。
 劇中で困難とか努力の描写があっても「どうせこいつ成功するしなー」と思って話に入り込めなくなる。
 そもそも主人公は困難や壁にぶつかることはあっても挫折はせずに直線的に成功していくので、物語的な緩急やワクワクも少ない。
 フィクションには山あり谷ありのドキドキする展開を私は求めているので、基本的に山登っていくだけなこの話はとても退屈。
 ネットスラングの俺TUEEEとかぼくのかんがえた〇〇のような厨設定を感じてしまった。

 演奏シーンのアニメ表現の過剰さから、ドラゴンボールとか焼きたてジャパンが連載が進むにつれて演出がインフレしていくのを思い出した。一本の映画としてインフレが速すぎた。BGにこの先どんな過剰な演出が待っているのかはネタとして見てみたくなった。

 CGと2Dの完成度の違いから、流行りのマルチバースでもやってんのかと思った。予算の都合かもだが2Dだけ方がよかったのでは。

 宮本大には彼なりの不安や葛藤はあるのだろうが、あまり表には出てこないので、サイコパスに感じられて共感できずすごく苦手だった。(漫画の主人公ってそんなもんか)
 
 映画最後のライブに向けてある人物にイベントが発生するが、私にはその必然性が感じられず、人物が物語の感動や高揚を演出するための舞台装置と感じられてひどく興ざめした。あのイベントは夢オチみたく安直すぎてねーわー🥱となった。感動を起動させる捨て駒になっててキャラクターが不憫。

 ジャズバー「JAZZ TAKE TWO」のママの泣いている姿で泣きそうになった。たぶん一回挫折した人の話だからだと思う。
 宮本大が挫折せずに真っすぐ夢に突き進んでるのが、私には非現実すぎて見てられなかった。非実在サイコパス主人公お膳立て演出に萎える。

 映画館で見たらもっとブチギレてたかも。
 世間的に評判の作品が自分に合うわけじゃないと理解し、映画館で見ず自宅で倍速で見る判断ができたのは、個人的な成長の記録。

 エンドロールでメイン3人の声優が、山本裕貴、間宮祥太朗、岡山天音と出てきてびっくりした。見てる最中は全然気にならなかった。
 
 月並みですが、プロを採録した演奏はよかった。

余談:Filmarksでの☆1〜2の割合が0%で驚き😲
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