みーゆー

ひみつのなっちゃん。のみーゆーのレビュー・感想・評価

ひみつのなっちゃん。(2023年製作の映画)
3.6
有終の美


この世界には偏見と嫌悪感ってやっぱりまだまだ広がってるんだろうなあ。そしてそれを受けてしまっている、受けてないけど感じてしまってる人もいる。

内面を磨くってむずいよな。所謂自己満足?世の中にありふれてる自己啓発本でも読めば上がる?インフルエンサーもどきがたくさん載せてる磨き方でも試す?何があれば自分に自信を持って生活できるんだろう。

「なっちゃん」は周りから愛された人だ。理由もわかる。亡くなってたくさんの人が駆け寄ってくれることはなかったけど、彼女のことを思い出して笑って泣いてくれる人が少しでもいるなら、それはそれで最高だった人生であってほしい。まだまだやりたいこともあったのかもしれないけど。

本名も住所も生まれたところさえも知らなくて、関係性も人に聞かれて咄嗟に答えられない。それでもやっぱり「誰にも言えなかったこと」を言ってお決まりの掛け声があって、一緒にいる。それだけで良いじゃんね!ほんとうの美しさはそれを楽しめる心にある!

滝藤さんがすごすぎる。3ヶ月前くらいから家でも仕草と口調を徹底して馴染ませてた、と。すごい。
そして渡部秀が本当に美しすぎてびびる。見惚れる。
あれに札束捩じ込みたい。欲を言えば3人での踊り、なっちゃんに見せたかったなあ。ズブ子?あんたはずっと最高だよ。

「笑いなさいよ〜!」いつだって笑わせてきたなっちゃんが、悩める淑女を連れ立ってこれからの道を提示してくれたそんな踊りだった。そんなんもう大優勝だろ。あと数分間だけオーズの世界をくれた東映の底力にも笑わせていただきました。ハッピーバースデー!

「淑女は、ピンチの時こそ冷静に!」大事。