みーゆー

PERFECT DAYSのみーゆーのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.9
重ね合わせ


素朴だけどとても豊かそうに見えて、規則正しく生活し、ルーティーン化しているようで日々の細かい変化を楽しんで生きていく。これがperfectなdaysかと言われたらそうなんだろう。人によって「しあわせの尺度」なんてそれぞれだ。その人なりの感じ方がある。

当たり前だけどさすが役所広司。毎日の変わらない時間軸の中であまりにも表情の変化がうますぎる。ちょっと良いことがあった日、腹立つなあ〜ついてねえわ!って思っちゃうような日、あるんだよね。どんな生活を送ろうが、人間みんなそんなことありまくるんだよ。平凡な生活なんて誰が決めたよ。

木漏れ日は彼そのものの人生なんだろうか。同じように立ってる木にも、同じように吹いている風にも、毎日見てれば違いはあって。それを味わって生きている。

平山も仕事して、銭湯行って、いつもの立ち飲み屋で1杯引っ掛けて、布団で本を読む。同じようでも、毎日は全然違っていた。唯一同じなのは朝方ドアを開けて空を見上げる時間。今日も頑張ろう、なんて思ってるのかなと思って微笑ましくなった。

「変わらないものなんて、あっていいわけがない」
2人で影踏みしている時間、なんとも言えなくなっちゃって泣きそうになった。ほんとに影が濃くなったか、なんてどうだってよくて。そこにちゃんと2人がいた。それだけでいいんだよな。

日本のトイレって変な形なの多いんだな〜。
先日デパートのトイレにケーキの食べ終わった箱だけが置いてあってゴミ箱に入れて出たよ。やっぱ、綺麗で当たり前なのは誰のおかげ?は忘れちゃいけないよな。

平山にとってこれからの先も自分尺のしあわせが続いていけますように。わたしも日々をたいせつに!

***

2024年、映画館はじめました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。