結衣

そばかすの結衣のネタバレレビュー・内容・結末

そばかす(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

人と映画館に行って映画を観るという久しぶりの体験

感想が180°違ったとしてもこの人と観たいと思える友達と


ところどころん?ってなる箇所があった。あと、恋愛や結婚をここまで完全に拒絶している人も少ないよねという話をした。私も含め、アロマンティックアセクシャル、デミロマンティックデミセクシャルの人たちの多くは葛藤や矛盾の中で生きてる。人を恋愛的に愛せないことで自己嫌悪したり。結婚制度で安心できることも分かるし。
三浦透子さんの演技、ドライブ・マイ・カーでもみましたが、本作では本領発揮できていない。むしろ陳腐なように感じる。これは脚本の問題だと思った。もしくは「恋愛感情がない」ということ以外の主人公の性格設定が甘いか。
保育士の男性が「俺ゲイなんだよね」と言ったあと主人公が「そうなんだ」となんでもない風に受け止めるところ、ツイッターで見たやつだ!っていう薄っぺらさ。男性のこと好きになれないならレズビアンだと決めつける30歳未満の女性は今時いないような。直接聞いた話か又聞きの話をつなぎ合わせて作りました感がある。どこかで聞いたことある話を登場人物に無理矢理喋らせている感。監督はきっと当事者ではないんだろうなと思った。
中学の同級生の女性と意気投合して、勢いで「私たち一緒に住んじゃう!?」みたいな流れ(恋愛や結婚ではなくて友情で同居する)、一部女性の間では誰もが通る道だと思う。私も言ったし言われたこともある。でもそれを30歳女性が言うリアリティが分からなかった。そういうもんなのか。
あの紙芝居を幼稚園児に披露しようと思った主人公もハテナだった。「あなたと結婚することが私の幸せだと思ってるの?(意訳)」ってシンデレラが言うのを園児に聞かせなくていいような…。まああの議員に立候補してる男性の発言は分かりやすく問題あるけど、だからといってあの紙芝居の内容もちょっとと思った。
チェロの演奏ひどかったです。あれ演奏してたの女優さんではないよな、別の人の演奏の音を乗せたとしてもひどい。

最後に、主人公が走り出すのは映画の序盤や中盤でなくて、ラストでも良いんだなという気付きがありました。物語の歯車が動き出す、あるいは疾走感として、登場人物が走るのはとても好きです。それが、最後の最後にあっても良いということ、これは(私が今まで観てきた映画の中では)革新的だと思った。

ともかく、細かいところで違和感はあるものの、映画のテーマとしては新しいし、頑張って良いもの新しいものを作りたいという意志は伝わってきた。是非解像度をもっと上げて、より良い作品を撮って欲しいと思った。ジェンダー学専門の教授や研究者の指導はもちろんだけど、アロマアセク・デミロマデミセクの人々のより多くの声を注意深くきくこと、マイノリティをテーマに映画をつくるのであればまだ足りないと思う。
結衣

結衣