みりお

あの娘は知らないのみりおのレビュー・感想・評価

あの娘は知らない(2022年製作の映画)
3.8
オンライン試写にて🌟
大切な人に置いていかれた経験のある2人が、互いの喪失を反芻し、共有し合うことで、繋がりを見つけていく様子が、素晴らしいほど温かく描写されていました。
夏の終わり、海辺の街。
波の音を聴きながら、雨にずぶ濡れになりながら。
去っていった人の思い出に浸っていたい。
でも一人ではいられない。
その絶妙な心の隙間を埋める、奈々と俊太郎の距離感が素敵。
言葉もなく、穏やかで、心地よくて…
とても好きな雰囲気の作品だったなぁ☺️

こういう作品って、「観る側がどれだけ登場人物の気持ちを想像できるか…」みたいな部分があるので、私はどれが正解かわからなくなりがちなんです。
でも奈々の部屋で涙が止まらなくなるあのシーンは、痛いほど感情が流れ込んできて、奈々の泣いている理由が痛いほどわかって、心底共感してしまった💦
全てを喪って、もう喪うものがないことにどこか安心していた奈々が何を想ったのか…
これをあの涙で描いてくれた井樫監督と福地桃子さんはほんとすごい。
あと岡山天音くん、最近メキメキ存在感が増していて、かなり好き💓


【ストーリー】

海辺の町で旅館・中島荘を営む中島奈々(福地桃子)は若くして家族を失い、誰にも自分の思いを明かすことなく日々を過ごしていた。
旅館が休業中のある日、一人の青年・藤井俊太郎(岡山天音)が「泊めてほしい」と訪ねて来る。
彼は1年前に亡くなった恋人の足跡をたどるうちに中島荘に行き着いたと語り、彼女の死を理解するために日ごと町をさすらう。
そんな彼の姿を目の当たりにした奈々は、土地の案内役として俊太郎と行動を共にし始める。
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