良かった！凄く好きな作品になった。井樫彩監督、惚れました。どんどん新作撮って欲しい！
まず絵作りが抜群に上手い。撮影監督の手腕でもあるのかな？人物のアップや横顔、風景の切り取り方、水や光の閃光。特に信号機の赤青を使った海辺や部屋のシーンはあまりに美しい。MVを多く撮られている若い人っぽい瑞々しさが全体に満ちている。何も起こらなくても伊東市の風景を観ているだけで画がもつ。
台詞が極力少なく、視線や演技で表現するのも、今の邦画っぽく無くて好みだ。何よりも主演二人の自然な感じが良い。当て書きで主演をやられた福地桃子さん、もの凄い存在感。ただ美人なだけでなく、影のある感じが深みを出していて素晴らしい。SABAKANにも出演していたので海が似合う人なのかも。
ストーリーも秀逸だ。孤独を抱えた2人が出会った時に、どんな日々を過ごすのか。好きな人が、知らない場所で、理由もわからず死んでしまったら、俺もそこに赴いて何を考えていたのかを追体験するだろう。最後まで全ては語られなかったけど、あの2人の距離感はリアリティと希望に満ちていて凄く好きだ。
仕事が落ち着いたら伊東市に出向いて、中島荘（ホントにあの宿は実在する）に泊まってみようと思う。それくらいこの映画を気に入りました
