HOHO

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのHOHOのレビュー・感想・評価

3.8
2人の記者が、ある犯罪を暴き、記事にして世に出すまでの映画である。
話といえばそれだけでかなりシンプルなのだが、①この記者2人は娘を育てる母親で、②犯罪というのは長年映画業界に巣食っていた性犯罪で、③そしてこの記事は世界中にme too運動というムーブメントを巻き起こした。
②、③がメインであるが、私は①にとても心動かされた。
彼女たちが記者として働くなかで、女性だからというだけで受けるハラスメントも多くあり、それと日々戦いながら生きている描写がある。さらに、そんな戦いと無縁であるべきの幼い娘も、そのハラスメントの波に巻き込まれようとしているシーンがあった。
なぜ醜悪なワインスタインに立ち向かえたのか?
母として、より長く生きている女性として、より若い世代の女性が同じ目にあわないように。その思いの強さが、支えていたように見えた。
「今はいいけど、社会に出たらそうはいかない」とか、「これが働くことの厳しさだ」とか、さも自分に言い聞かせるように娘たちに話す女性は多い。しかしその言葉から滲むのは、現状に対するやるせなさと辛さであり、変えるべきだと思っていることが明らかだ。
私は、自分が体験しているこの現実を変えるべきと思っているか?
この現実から目を背けたら、20年経っても同じことが繰り返されるのではないか?
まずこの問いかけを一人一人がしていくことから、世界の変革は始まるのかもしれない。
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