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返校 言葉が消えた日のHOHOのレビュー・感想・評価

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)
3.9
台湾の白色テロ時代の高校を舞台にした映画である。
台湾の独立後の歴史背景を恥ずかしながら知らず、その40年間の過酷さから、観光で訪れた台湾が結び付かなかった。しかし、台湾から留学してきた学生が国外に出ようとしていたことを思い出して、その国の背景と彼らの意思の源が繋がった気がした。

ホラー、サスペンス要素も強いが、あくまでホラー映画ではない。政府に都合の悪い本の読書が弾圧され、芸術すら自由がなかった時代に、高校生たちの葛藤や残酷さ、それがホラー的な表現で突きつけられる。
エンドロールを観ている自分が、いまこうして自由に観る映画を選択できていることは、決して当たり前のことではないこと、しかし当たり前でなくてはいけないことだと改めて感じた。
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