観ても救いがないことは確か。
でもなぜか観終えたらまた観たくなっている。
当然、主人公の職業であるミニチュアが主軸となった見た目の楽しい(しかしそれが恐怖の素ともなる)演出あり、主人公たちのキャラクターの強さあり、エンターテイメント性の強さもあるのだが、後半はもう本当にむごいし、血だらけだし、主人公が一番怖いし…。心臓にめちゃくちゃ悪いのだ。
でもこの一般的に見て中の上に位置するであろう家庭環境のこの一家が、それでも家族間の確執を抱え、乗り越えられない様を見ると、家族だからといって一致団結する必要もないし、常に味方にならないといけないわけではない、ということをはっきり突きつけられ、なんだか楽になる。
思い起こせば、ミッドサマーもある側面では救いとなった。ストーリー上明らかな救済を見せられるよりも、その合間にある社会通念上の「当たり前」を崩される感覚が、なんだかとても心地よいのだ。
