のりっこ

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けののりっこのレビュー・感想・評価

4.0
「わたし#Me too運動嫌いやわ。我も我もって便乗してる感じがする。ビョークまで参加してる」わたしの女の友人の発言。わたしは映画をよく観るからMe too がナンパレベルのセクハラじゃないことを知っている。我も我もと続かなければせっかく勇気を出して発した声がかき消されてしまうことも知っている。こーゆーときに知名度のある人の参加がどれほどの威力を持つかも知っている。「あの人たちの言ってるセクハラは私たちが思ってるセクハラとはたぶんレベルが違う。同意の上でのレイプのことやと思う」と発言したわたしに友人絶句。今作を見て知ったのは同意の上でのレイプというよりもう虐待(レイプのほうがマシという意味ではない)。道具のように扱われる屈辱が心に残す傷はいかほどか。人によっては「No」って言わなかったから…と幼い自分を責める始末。彼女たちは何も悪いことはしていない。
観て気分の上がる映画ではないけど多くの人が知っておくべき汚いことが描かれている。ネットニュースを見て無知で心ないコメントをしないために、また、当事者になってしまった最悪のタイミングに強く「No」と言う権利があるということを知っておくために、多くの人が観るべき作品やと思う。

巨大すぎる敵と対峙しながらデリケートな取材を続けた記者の方たちと、辛い取材に応じ、また、未来の女性たちのために名前の公表を決意した勇気ある人たちに拍手しかない。被害者たちがしきりに訴えたのは、ワインスタインよりも奴を守る制度に問題があると。きっとハリウッドだけじゃないんやろうなぁ。
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