猿橋

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けの猿橋のレビュー・感想・評価

2.0
自分史上最悪の洋ドラ『アンオーソドックス』の監督の映画なので見る気はなかったんですが、評判もいいし自分の評価間違いかなと思って見たんですが…いやこれ、やっぱりこの監督ダメでしょう。

思想の根本から間違ってた『アンオーソドックス』よりマシなのは否定しません。しかし、いくらなんでも演出が下手すぎませんかこの人。頭から終わりまで普通の人はそのシチュエーションでそんな風に話しませんよという説明台詞の嵐。それを俳優の技量で補ってもらってるのは画面からも明らか。つうかさ、性被害の告発ものを作るならですよ、オフィスを明るく煌びやかに撮ったり、女優さんの髪をいちいち縦巻きにして顔面にぱーっとホワイトライト当てたり、悪者をいかにも悪者然と描いたりとかしちゃダメなことくらい、素人の自分だって分かりますよ。テレビドラマ以下、バラエティの再現ビデオですよこんなの。

終盤に行くに従って『スポットライト 世紀のスクープ』をパクったシーンが増えていって、ラストなんてほぼそのまんま。しかしこの出来上がりの残酷なまでの差。興行的にコケたのなんて当たり前ですよ、観衆はバカじゃないんだから。

しかし、ですよ。ここまで下手でバカな監督の映画を、現代の時流的には「正しい」からという理由で批判できないのだとしたら、ほんと、表現の自由って何なんでしょうね。
猿橋

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