カーラジオの声だけが流れる中、運転席の女性と助手席の男性を後部座席から切り取ったカット。2人はどうやら元恋人同士。今は多分よくわからない関係になっている。そんな中、男がもうすぐ結婚するのだと切り出す。
気まずい沈黙と、取り繕ったような歯切れの悪い会話。
観ているこちらがヒヤヒヤするような細街道を走り続ける車。
"私ってなんだったの?"
意を決して踏み込んだ女の言葉に対し、男はハッキリとした返事をしない。
多分男はこれからも適当な関係でいたかったから衣類を返されたくなかったんだろうな。ズルいから。ぬいぐるみは後ろめたさが残るからわざと置いてったんだろうな。ズルいから。
はー、男ってズルいなと自分の過去なんか振り返って嫌になった。
"お幸せにって…"
彼女の悔しさの滲むタイトルと、ダブルチーズバーガー2つが逞しくて切ない。