いの

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのいののレビュー・感想・評価

4.1
何回目かのU-NEXTに入りました。11月はおうち鑑賞をたくさんがんばりたいと思っています。おうち時間は当面の間、読書よりも映画、ウダウダよりも映画です。投稿が多くなると思いますが、テキトーにスルーなどしていただけると、わたしも遠慮なくあげることができるので、どうぞよろしくお願いします!(んなコト言われなくてもわかってるって? 余計なことを申し上げました。すみませんっっ)


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あ、町田くんだー♪
あ、いとちゃんだー♪

と、映画での(映画鑑賞を通しての)再会をよろこんでいられる時はまだ良かった。ふたりが鴨川沿いを歩く場面でほっこりしたのは束の間のことだった。


わたしはもうオトナなのに。全然大丈夫なのに。この映画、痛いとこつかれてイヤだなぁと思ったり、痛いひとたちみてわぁー無理って思ったり。ホントは自分もそっちなのにそれを認めたくないから無理と思いたいのかとか、もうどうしたらよいのかわからなくなって迷子になりそうだった。全然勘違いだと思うし、両者を比するのはどうかと思われるかもしれないけれど、ある意味においては、リリィ・シュシュが2001年のリアルだったら、2023年のリアルは今作かもしれないと思った。高校生や大学生がみたらこれはわたしの映画だと、そう思う人がきっといる。


ぬいぐるみサークルの扉をあけた瞬間の風景(窓からさしこむやわらかな光)。世の中は雑菌だらけなのに、ぬいサーの部屋も、登場人物たちの部屋も、どこもかしこも滅菌されているかのように汚れがない。メルヘンちっくだしちょうキレイでとても可愛い。けれども、それがかえって息苦しい。優しさに包まれていることが、かえってキツいかのように。真綿で締められていくような。優しさの呪縛。


傷つきやすい人たち。誰かが傷ついていることに傷つく人たち。優しい人たち。自分の言葉が誰かを傷つけてしまうことを怖れて、ぬいぐるみに話しかける人たち。


危なっかしさを抱えながらも今作が絶妙なバランスをとっていると思うのは、サークルにいながらぬいぐるみと喋らない女の子(白城さん)の存在。傷つきやすい人たちの近くにいながらも、彼等を外側から見ていて、しかも実はちゃんと支えているということが、奇跡のようなかたちで浮き上がる。そのとき、この映画は、この映画を観ている人を含めたみんなのものになったんじゃないかと、少なくとも今のわたしはそう感じてる。この苦しい思いを捨てなくてもいいし、必ずしも乗り越えなければならないものでもない。そんなことも言っているような気がする。それはわたしがそう思いたいだけかな。



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*ななくん(七森さん)を演じたのは『町田くんの世界』の細田佳央太さん(『花束みたいな恋をした』にも出演)

*麦戸さんを演じたのは『いとみち』の駒井蓮さん

*『佐々木、イン、マイマイン』の細川岳さんは、あのときとは全く違う役だった


※自分の気持ちがまだよくわからなくて、スコアも迷いに迷ってて、とりあえず(仮)ということで
いの

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