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美と殺戮のすべてのmareのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
3.5
ナン・ゴールディンというアーティストの誕生から現在に至るまで。シャッターを切り続けたかつての美しく破天荒なアーカイブには、根強い社会への怒りが常に翳りとなって存在していた。時代を跨ぎながら先鋭的でパーソナルなアートシーンへの影響、赤裸々に写し出した友人たちの姿、密接に関わり合う性とドラッグ、転機となる数々の出会いがあった一方で歴史の闇に覆われた数えきれない人々の喪失があった。壮絶な人生を過ごし痛みとともに生きたナンは、巨大な悪の根絶のためにシュプレヒコールで戦う。写真家と活動家の側面が交互に映し出され、人生をかけて訴え続ける偉大な姿は激しくセンセーショナルだった。
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