SPNminaco

トゥモロー・モーニングのSPNminacoのレビュー・感想・評価

トゥモロー・モーニング(2022年製作の映画)
-
サマンサ・バークスとラミン・カリムルー、2大ミュージカルスターが見事に歌い上げるほど映画としては陳腐さが目立って白けてしまった。
女を主人公にした結婚式前日と男を主人公にした離婚の前日が並行する構成だが、現在過去のコントラストはぼんやり。しかもウォームトーンとクールトーンの使い分け、分割画面などの演出がダサかった。脇でレジェンド俳優やミュージカルスターが出てくる場面は取ってつけたようにわざとらしく、ラミン自慢の筋肉もわざとらしいムダ脱ぎサービス。
対照的な2つの時間軸、2人のデュエットは舞台上なら趣向を凝らした見どころのはず。でも映画では歌ってる場面を持て余してるようで、悉く陳腐な演出で埋める。いかんせん歌詞がモノローグ中心なので説明的だし、曲と曲の間は蛇足。そもそもサマンサ&ラミンはこういうミニマムな夫婦劇より、スケール大きくドラマティックな舞台映えするタイプだろう。都会のリッチなペントハウスで人生の苦悩を歌われてもな…。
同じくカップルの現在過去を皮肉に交錯させたミュージカルの映画化、ジェレミー・ジョーダン&アナケンの『ラスト5イヤーズ』の方がシンプルにコンパクトにまとまっていて、これより巧くいってた。
SPNminaco

SPNminaco