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パリタクシーのシネマのネタバレレビュー・内容・結末

パリタクシー(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2022年 フランス映画

【WOWOW W座からの招待状】
フランスを代表する二大スターが共演した本作。

無愛想なタクシー運転手を演じるのはダニー・ブーン。
1966年生まれ、フランス出身。映画監督、脚本、舞台などマルチに活躍するコメディアンで、国民的な人気を誇る。主な出演作品に『ぼくの大切なともだち』(’06)、『ミックマック』(’09)などがある。

彼がタクシーに乗せる魅力的なマダム役には御年94歳の国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノー。
1928年生まれ、フランス出身。『女はみんな生きている』(’01)などでセザール賞助演女優賞に3度ノミネート。2022年にフランスの最高勲章にあたるレジオン・ドヌール勲章のグランクロワを受章した。

実生活でも親交の深い2人。息の合ったやり取りが見所です。

監督・脚本・プロデューサー
クリスチャン・カリオン
1963年生まれ、フランス出身。
監督・脚本を務めた『戦場のアリア』(’05)でその年の映画賞を席巻。その他の代表作に『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』(’09)、『戦場のブラックボード』(’15)など。

そしてもうひとつの主人公は美しいパリの風景。
様々な場所を巡るタクシーのドライブはやがて予想外の方向へ。
驚きがちりばめられたロードムービーです。

以上

☟感想☟

すごく面白かった!!!
ロードムービーも好みだし、パリの風景も素敵だし、息の合った2人のやり取りも心地良いしで…。若い頃に行ったパリを思い出した。ホテルでトイレがバスルームとは別になっていたのと、朝食のクロワッサン🥐がすごく美味しかったのを覚えている(鄧小平がフランスに留学したときだかにクロワッサンがすごく美味しくて他であれほど美味しかったのに出会えてないといっていたと聞いて、同じく!とテレビに叫んだ記憶)。

戦後まもなくのフランスは夫のいない女性は銀行口座も持てないし(母親だけで父親もいないみたいだし)、中絶も出来ない時代だったから…息子のために結婚したのだろうな…と。そういう選択しかなかったから、DV夫でも仕方なく…(2人を見送る母親の表情が予感させていて…)。裁くのも男ばかりだからか、女性に厳しすぎな気がするし…😫。『告発の先に』との裁判の違いを比較してしまった。

どの時点で家を持てるほどのお金持ちになったのかな…(昔はそれほど高くなかったとか…?)。フランス社会に詳しければもっと理解できたのに…。そういえば、大富豪の人数の多さでフランスは世界で4位と今朝のNHKBSワールドニュースのフランスのニュースでやってた(1位アメリカ、2位中国、3位イギリス)。フランスの大富豪の特徴は貯蓄の多さだそう。フランス人も日本人みたいに投資より貯蓄なんだ…と思った。

日本でも占領軍の米兵との間に出来た子どもがたくさんいたらしいよね。結婚してアメリカに行った人もいればそうじゃない人も…。

先日観たフランス映画の『告発の先に』と同じくフェミニズム運動における息子の存在というのも共鳴していた。ここんところのフランス映画の傾向?

劇中に流れる曲はリーヌ・ルノーの歌もあるのかな?

ラストがフランスっぽい皮肉めいたものじゃなくて良かった。

【W座エピローグ】

92年の人生を振り返るドライブ。
美しいだけではない違うパリの一面を知ることが出来たのではないでしょうか。
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