くぅー

インスペクション ここで生きるのくぅーのレビュー・感想・評価

3.9
“私は尋ねないし、彼も言う必要がない。彼は我々の仲間だ、海兵隊員だ。”

»ゲイであることを理由に母親に10代で捨てられ、ホームレスみたいに生きてきた青年が、生きるために海兵隊への入隊する…海兵隊在籍中に映像記録係としてキャリアを築いた監督の実話に基づいたドラマ。

はい、あのA24が軍隊モノということで、興味深く見始めましたが…こういう描き方もあるのかと感心してましたね。

で、まずは反戦作品ではないので、勘違いなさらずに。

そう、本作の軍隊はまだDADT政策がある時代ってのがキーでもあり、当然にゲイを隠して入隊しつつも周囲に感づかれて、それなりの屈辱を受けるも…それを気にしない教官もいて、諦めずに粘って徐々に変化が起きていくのがポイント。

と言っても、彼はタフでもなく人間臭いあたりが何ともで、勘違いはしてしまうし…そんな本作の終盤は母親との関係も見所にもなるんですが、何と言っても彼の劇的に変わった表情が全てか。

うん、あの『ジャーヘッド』にオマージュをして、
ノイジーな音楽も印象的で、きっちり見応えはありました。

なお、キャストでは、ジェレミー・ポープ…難役を見事な熱演。
ラウル・カスティーヨにマコール・ロンバルディに、アーロン・ドミンゲスにニコラス・ローガンらが良きサポート。
くぅー

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