シネラー

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスターのシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
ジェームズ・キャメロン監督によって
3Dリマスターを施され、
初公開から13年と月日が経った
『アバター』を劇場で初鑑賞。
個人的に今まで観ようと思っても
踏み出せない映画だっただけに、
映画館という最高の空間で
鑑賞できた事は本当に有り難く、
その上での面白さも感じられて良かった。

惑星パンドラを舞台に
人類とその惑星に住むナヴィ族の共存
を描く内容となっており、
そのパンドラの独特な動植物は
とても美しくて興味深かった。
空中を飛翔するイクランやトゥルーク
といった動物に乗る場面は、
格好良い上に憧れしかなかった。
人類側のメカニックな兵器に関しても、
ハイテクながらもアナログさも
感じさせる兵器で夢に溢れていた。
又、3D映画を劇場で鑑賞したのは
個人的に久しぶりだったが、
奥行のあるカメラワークやアングルは
正に本作の為にあると感じられた。

王道的な物語に関しても、
主人公であるジェイクの成長を
綺麗に描いており、
とても見応えある内容で良かった。
退役軍人で下半身不随のジェイクが、
地球人とナヴィ族とのハイブリッドの
人工生命体"アバター"へシンクロし、
両足が健常となる喜びや
ナヴィ族の文化を知っていくのは、
感情移入もできる描かれ方だと思った。
人類側のパンドラの資源を狙った
軍事侵攻が迫る中、
パンドラの自然を理解していき、
ナヴィ族のネイティリと恋に堕ちる
ジェイク側の人間模様は、
とても魅力的に感じられた。
最初はネイティリから
守られ教えられる立場にあったジェイクが、
最終的に一族を守る
戦士へと変化していくのも格好良く、
彼の演説場面は一番好きな場面だった。

気になる点としては、
ジェイクの記録映像への語りが時折に
挿入されるだが、
それが語り過ぎていると
思う部分がない訳ではなかった。
又、本作における最大の欠点は、
劇場での3D環境があってこそ
本作の面白味が十二分に発揮される点
だと言えるだろう。
個人的に家庭の円盤や配信で
本作を鑑賞したところで、
今回の鑑賞以上の感動は無いと思った。

続編の公開される事も
個人的に乗り切れていなかったのだが、
必ず続編も映画館で鑑賞しようと
思わせてくれる、
美しいSF・3D映画体験だった。
大自然の美しさを分からない侵略者は
何と愚かなのだろうかと思いつつ、
だから滅びるのだと感じる映画でもあった。
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