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ゴジラ対メカゴジラのシネラーのレビュー・感想・評価

ゴジラ対メカゴジラ(1974年製作の映画)
3.5
本作が劇場公開から50周年を迎え、
メカゴジラも生誕50周年となったので
久しぶりに本作を再鑑賞。
沖縄を舞台にした娯楽性の高い内容に
強敵メカゴジラの初登場という
面白味が満載な映画だ。

物語は地球侵略を企てる
ブラックホール第3惑星人が
メカゴジラを用いて侵略を開始し、
沖縄を舞台にゴジラと
沖縄の守護神キングシーサーが迎え撃つ
内容となっている。
今となってはレトロ感に溢れる
ブリキなようなメカゴジラだが、
その登場の格好良さや圧倒的な火力は
特撮と相まって強敵感がよく出ていると
感じられた。
二対一という数ではゴジラ側の方が
優勢にも関わらず、
挟み撃ちにしてもそれをはね除ける
メカゴジラの場面が大好きだ。
本作の音楽を担当された
佐藤勝による楽曲も印象深く、
そのテーマ曲の力とメカゴジラの描写が
見事に合っていると思った。
沖縄返還直後という事で
沖縄を舞台にした時代背景があり、
キングシーサーという存在からも
沖縄らしさを感じるところだった。

人間側のドラマとしても
アクション場面か多いのだが、
必死に乱闘を繰り広げている中で
他の人物が傍観しているだけなのには
笑いが込み上げてしまった。
又、高度なテクノロジーを持つ宇宙人が
地球人にメカゴジラの修復を
任せるという点も疑問が過る部分だ。
そして、本作の迷シーンとも言える
キングシーサーを目覚めさせる為の
「ミヤラビの祈り」の歌唱場面だが、
フルコーラスは流石に長い上に
沖縄民謡らしくもないと改めて思った。
そんな苦労もして呼び起こした
キングシーサーの活躍も乏しく、
早い段階で劣勢となって
ゴジラの後ろや岩に隠れる始末なのが
お粗末でしかないと思った。

作品のテイストとして
突っ込みどころは多々あるが、
メカゴジラが初登場(キングシーサーも)
という意義だけでなく、
宇宙的なSFに古代要素もある
ハチャメチャで子どもを楽しませる事に
特化した内容は、
これはこれで好きな
昭和ゴジラ映画の一つだ。
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