ゆうぴょん

善き生徒たちのゆうぴょんのネタバレレビュー・内容・結末

善き生徒たち(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

キリスト教的な罪と罰の雰囲気ただよう、抑圧された昏さって、いまいちよく分からない所があるな、といつも思う。この映画はその極まれりって感じ。
作中で議論される「悪」という概念も分かりにくいし、だからこそ、この映画が分かりにくい。なんとなく、後暗い思春期の痛さとか、しんどさみたいなのが、キリスト教的な受難や抑圧や規律と対比されて描かれているのは、様式美としてはよくわかるけれど。
各生徒たちそれぞれの事情がつまみ食いのように描かれていて、それがこの事件のどことリンクしているのかわからないし、拡散してる。
主人公のモノローグも、物語の根幹をあらわしているかのようで、どこが薄っぺらい。
抑圧され、厨二病的でタガがはずれた若者たちが起こした犯罪映画という、すごーく在り来りなものをなぞったにすぎないところが、勿体なかったと思う。
群像劇にしたかったのは分かるけど、色々と雰囲気に頼りすぎ。キリスト教圏以外のひとたちにも響くような、普遍的な部分って、この映画にあっただろうか。
厳格な、カトリック学校の生徒たちが、ものすごく残忍な犯罪を犯したってところがこの映画の肝なのかな。うーん、やっぱりわかりにくいし、あと、ありふれている。それこそ、90年代に繰り返し繰り返し量産されていた、いわゆる進学校におけるイジメや、鬱屈した日々を描いていた作品群と比べて、何ら変わりない内容だと思った。
なんだろう…現地ではけっこう新しい感じだと受け止められてるんだろうか。
ゆうぴょん

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