なお

プー あくまのくまさんのなおのネタバレレビュー・内容・結末

プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

世界中で愛される黄色のクマさん、まさかのホラー映画化。
原作である「Winnie-the-Pooh」の著作権の保護期間が世界各国で終了し、パブリックドメイン化したことにより実現した作品。

日本ではTwitter始めとするSNS上で予告編や作品ビジュアルが公開されるなり話題沸騰。
そのためか、日本国内では若年層の入場者率が多い傾向にあるという。

✏️問題点
・プーさんを題材とする必要性ゼロの物語
いくらパブリックドメイン化されたとはいえ、やっていいことと悪いことがあると思う。

正直本作のピークは、プーたちがなぜ人間を恨み、野生化していったのかを説明する冒頭数分の絵本仕立てのシーンのみ。

その後は駄作スプラッタ映画のダメなところをごちゃまぜにして煮こんで、仕上げにその鍋をひっくり返したような構成と演出のオンパレード。

一応の体裁を保つためか大人になったクリストファー・ロビンは登場するが、彼は早々にプーとピグレットの生贄に捧げられ、その後は「この手のスプラッタ映画で殺されるために用意された女性たち」のドタバタ(笑)スプラッタ劇。

観客のイライラを煽る謎行動を繰り返す主人公たちの行動は、これが自宅ならポップコーンを画面に投げつけているかもしれない。

何やら女同士の「友情」だったり「愛情」をニオわせるシーンもあるが、感情移入不可能な知らん女4人の友情や愛情などをいきなり見せつけられてもこちらとしては途方に暮れるしかない。

行動原理が不明なのは「敵側」であるプーたちも同じ。
彼らは人間を捕らえその肉を食らうことで己の空腹と人への復讐心を満たしているのだとばかり思っていたが…

人によっては殺したり殺さなかったり。
また単純に殺人を楽しんでいるとしか思えぬシーンも多々あり、いまひとつ目的が不明瞭なガバガバムーブを繰り返す。

また、曲がりなりにもプーさんを題材とした物語なのに、なぜイーヨーとティガーを出してあげなかったのか。
冒頭シーンの説明によるとロバのイーヨーは食料としてプーたちに食べられてしまったとのことだが、食料にするならピグレットの方が先だと思う。

イーヨーはまだ説明があるだけいい。
ティガーなんてシルエットしか本作に登場していない。

✏️評価点
・続編への希望
本当は特にない、と書きたいところだが、ただこき下ろすだけの感想は良くないと思うのでなんとかひねり出しました。

ロビン以外の主人公が全員殺されて終わる、という思い切りのいいラストは唯一良かったですね。

これがセオリー通りなら、最後に生き残った女とロビンがプーを倒して、燃え盛る炎をバックにベタなチューをして終了…という流れだったと思う。
これが一番冷めるので、その選択肢を安易に採らなかったのは正解。
(これ評価点か?)

が、あのラストは既に制作が決定している「続編」を見越しての終わり方のよう。
「WILL RETURN」じゃないのよ。

☑️まとめ
不気味な動物のマスクを被ったおじさんたちが、か弱い乙女を殺して回る…という、これまで履いて捨てるほど制作されてきたスプラッタ映画のシチュエーションに、無理やりプーさんの要素をねじ込んだだけに過ぎない内容。

前述の通り続編の制作決定しているらしいけれど、あそこからどうやって物語を広げるつもりなのか。
…まぁ、公開されたらされたでまた見に行くんだろうなぁ…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★☆☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★☆☆☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★☆☆☆

🎬2023年鑑賞数:72(35)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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