DK

福田村事件のDKのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.0
久しぶりのジャックアンドベティファーストディで干渉。いつの間にやらネットで予約までできるようになってた。どんだけ行ってなかったんだろう。もぎりの代わりにドアの前に立つ支配人がお元気そうだったことに安堵して序盤はうとうと、映画同様船を漕ぐ。

途中からボルテージがどんどん上がってくる。関東大震災後に起きた恥ずべき史実には、たくさんの教訓が詰まっている。史実だけど現在でも全く起こりうることだと感じる。熊本の地震の時に動物園から猛獣が逃げたと今は亡きTwitterで拡散されたことが記憶に新しい。

軍国主義が幅を利かせ、軍服を権威の象徴とする自警団の領袖がその場の雰囲気を合理的な疑いをも否定して、悲劇は起こる。後になって取り返しのつかないことをしたことに気づいても遅いのだ。

鮮人(センジン)と呼ばれ差別の対象となる朝鮮半島の人々。部落差別で差別されている人たちが鮮人と自分達はどちらが上なのかというシーンがあるのだが、なんとも暗澹たる気持ちになった。これが人間なんだと。
21世紀になっても戦争をしてパワーダイナミックス全開で権力争いをする国々やリーダーたちを見ていると基本的に人間は何にも変わってないし、オワコンのオールドマスメディアの言ってることを見ていると、福田村事件はどこでもいつでも起きうることなんだろうなと。
いろいろ考えさせられるいい映画でした。
DK

DK