名古屋に行く機会があり、折角ならと思い名古屋のミニシアターにて鑑賞。
100年前の関東大震災当時、実際に起きた福田村事件。
震災の混乱で飛び交う流言蜚語。そのデマに惑わされ、さらなる混乱が人々の心をかき乱す。
混乱、そして高まる興奮が、無秩序に近い関東でこの事件を起こしてしまう。
そもそも、この事件が起きたのは当時の震災後の状況下に起きた非道な行為の一例に過ぎない。
大事なのは、この事件は大きく取り沙汰され、多くの犠牲を出した朝鮮人には関心が向けられなかったという事実。
朝鮮人なら殺してもいいのか。
映画はそれ以上に多くを問いかける。
村人の中のドラマはかなり脚色がなされているだろう。
だが、少し調べれば映画全体にはさしたる脚色がないことが分かる。
むしろより残酷だったのではないかとも思える。
映画自体の感想は、やっぱりもう少し残酷でも良かったのではないかなと思う。
また、村人間のゴタゴタは少しめんどかった。
讃岐の穢多出の薬売りたちは随分良かった。
事実とも近かったと思うし、さらにその上で彼らが大事なことを語ってくれた。
すごく見応えのある作品だった。
