福田村事件のFのネタバレレビュー・内容・結末

人は実際に見てもないのに、聞いた話を信じそれをまた違う人へと伝える。
それは100年経った今も変わってない。実際に自分が見たことだけを信じれば良いのに聞いたことを何故か信じる。そして周りが抑えててもたった1人の行動によって全てが瓦解される瞬間を目の当たりにしてあの場に自分がもし居たら加害者の立場になっててもおかしくないかもしれないと思った。
序盤は時間が経つの遅く感じたりして、ここは果たしているのか？と思うシーンもあったが後々全て回収されていき見事な脚本で驚いた。

瑛太さん演じる行商団のまとめ役が「鮮人なら殺していいんか？」と言ったあのセリフこそがこの映画の全てだと思うし、あの一言だけで全ての空気感がガラリと変えられるのを肌で感じて改めて凄い俳優さんだと思いました。
あと杉田雷麟さん演じる行商団の男の子が殺される時差別から必死に立ち向かうために勉強してきたのにも関わらず「僕はなんのために生まれてきたんや」って言ったところはしんどかった…日本人なのに朝鮮人だと疑われ何の罪も犯していないのにただの疑念だけで殺された…あんなことが100年前の日本にあったことを忘れてはいけないと思ったし「9人じゃない…10人です。1人それぞれ名前があるんです」って行商団で生き残った子が言うシーンはなんともやるせない気持ちになった。キャストさんそれぞれが適材適所でキャスティング天才では？って思ったし、こういう映画こそもっと色んなところで公開してほしいと思った作品でした。

関東大震災の混乱の中でこのようなことが起きたのはこの映画で初めて知り、学校で甘粕事件のことは教科書に書いており詳しいことも聞かされたが福田村事件のことは一切教科書に書いておらず先生からもそのような事件があったことを聞かなかったため今まで知らずにいたがこういう事件こそ後世に伝えていくべきだと思うし映画がきっかけだがこの事件のことを知れて良かったと思いました。