予想通り、酷い話だ。
いや〜な気分になりました。
(だからスクリーンには行かなかった)
自分の好みではないのはわかってたし、
歴史事実としての認識も、
森達也監督とその近しい人達が覚悟を持って作った映画だということも、
知ってはいましたがやはり見ていて胸糞が悪くなる………し、悲しいし、何より怖かったです。
エンタメとは違うもんね、しょうがない。
でも日本人として、日本社会に生きる者として見ましたよ。きっと韓国人嫌いという人は見ないんだろうな。そういう人にこそ見てもらって感想を聞きたいものだけど。
未だ燻る選民思想の持ち主たちが、これをどう見るのかも気になります。
多くの人に見てもらう工夫の一つに
俳優たちの豪華さがありましょう。
その中で際立ったヒールを演じている水道橋博士と松浦祐也には頭が下がります。
元軍人の小者の憎ったらしいこと！そして無知なる哀れさ。戦地帰りの父への不満を抉らせ、その憤懣をあらぬ方へ向ける男の愚かさ。痛々しかったです。
そして木竜麻生が、使命感に燃えた記者を気持ちよくキッパリと演じていたのが嬉しいです。終盤の彼女の台詞で救われました。出来ればピエール瀧にも一言カッコつけさせてやりたかったな。
東出昌大の農民姿はイマイチだったけど、優しさゆえの女好き………感はよく出てました。彼の出演作は結構見てて、大して上手くもない割に心に残る不思議な俳優としてチェックしています。
このところ私的にいい作品ばかりに出ている感じです。オファーも増えているんだろうか。役者仕事さえしっかり良いものをこなしてくれればプライベートはどうでも良いや。
瑛太も好演。カンカン帽に派手めな衣装は、はじめは違和感があったのですが、結果、それ故の悲壮感みたいなものが出ていました。一行を率いる頭としての気概も出てたし。
映画『半世界』から要チェックの杉田雷麟も成長著しいけど、賢い将来有望の青年を演じるにはちょっと上滑り気味かな。
一つ気になったのは、子役の多さ。
殺傷事件をガッツリ撮っているからストレスにならなきゃ良いけど。
子役たちをサポートする人がいたのかな。
（撮影現場から一時的に退場させるとか）
インティマシーコーディネーターの子供への配慮バージョンみたいな人やそれに変わる人を配置していて欲しいな。
