この国で生きる/シスジェンダーで/ヘテロセクシュアルの/男性 である自分が、何を言葉にできるかと少し困った。
恋人とうまくいかないとか仕事が楽しくないとか友達が少ないみたいなことと同列に扱って普遍化したり相対化して彼らの生き様や孤独に涙することがどんなに暴力的かは理解しているつもり。
私が想像する“普通じゃない”の更に外側にも世界は開かれていて、マジョリティとして安穏と生きる私の見えないところで、疎外感を感じながら必死で取り繕い日々を紡ぐ人がいるということ。分かったフリして“歩み寄る”ことではなく、分からないけど分かろうと意思を示すことで生じる連帯の可能性。
良い映画なのは間違いなく、俳優たちも良い。（稲垣吾郎が主演扱いなのも皮肉っぽいよね。新垣結衣主演でも良いはずなのに、あくまで役柄的にマジョリティな彼がこの映画の“メイン”なわけで）
ただ見終わってからずっと考えてるのは、小児性愛者が許されないのはこの映画内でも共有されてるようには思ったけど、じゃあ水フェチと何が違うの？ってこと。「なんでもあっていい」訳ではないだろって。新垣結衣と磯村勇斗が水浴びする姿は正直超綺麗だもん。彼らが小児性愛者だったら、それはあっていいの？よくないの？ってこと。
