「多様性」という言葉が嫌い。
大抵、多様性、多様性なんて大声で言う人は、自分だけの都合良く生きたい、押し付けがましい人の様に感じるから。
色んな生き方や考え方があっていいと思う。時には自分の想像を遥かに超えた嗜好を見聞きすることもあるだろう。
そういうのは理解しなくていい、どうせ共感なんてできないんだ、聞き流せ、否定すんな。世の中にはそれができない人が多すぎる。そして近頃、マイノリティを理解してほしいという願望を押し付けてくる人の声が大きすぎる。これもまた私の自分勝手な考えだが。
佳道や夏月の言葉選びがあまりにストライク過ぎてグッと引き込まれる。
特に、冒頭のセリフには驚いた。私もふと考えたことがある。世の中って明日生きてることが前提で色々なものが作られてるよなって。死にたいわけではないけど、それって仮定なのに当たり前みたいなのは不思議だなって。
場面転換が絶妙で、どの登場人物のどの人生も息苦しそうなのが見事に伝わってくる。
いわゆる「マイノリティ」な人はもちろん、みんな生きるって辛いことなんだよなと強く思う。
この世は生きやすいなーなんて思ってる人いるのかな。
私自身、生きてて楽しいことや嬉しいこともあるけど、しんどいことや腹が立つこともたくさんある。
マイナスな感情が湧き上がる度、なるべく思考を停止して諦めの境地にダッシュする。
こんなことを繰り返していたら深い繋がりなんて面倒だと最近感じていたけれど、どこか諦めきれない部分もあるから、結局一人では生きていけないんだなと気付かされた気がする。
というかそもそも一人ってなんだろう。恋人や配偶者がいないと一人なのか。家族も友達も先輩も後輩も大切。
理解者とは違うかもしれないが、私は自分が自分を肯定できればそれでいい。あとは周りにいてくれる大切な人たちを大切にして生きたい。
あれこれを考える。良い映画を観た。
