あっさりゆで卵

ウィッシュのあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.0
ディズニー100周年を記念した映画なのだが、これで良かったの?と思ってしまった。

願えば叶うの100周年記念コンセプトありきのプロットで、主人公周りに魅力がほとんどなく、唯一魅力的であったマグニフィコ王も一面的な切り取られ方に終始し、なんとも煮え切らない作品だった。

マグニフィコ王はさほど悪くないし、なんなら国民思いの良い王様だった。
難民移民も受け入れ、国民から献上された願いは大切に管理し、なんなら年に10人程度は叶えてあげる。叶える願いは国益を脅かさず有意義なものに限るという縛りがあり、やや厳しすぎる側面も否めないがそれもこれも国のために。
アーシャの「叶えない願いは返せば良い」という反論は最もなんだけどね。

最終的には、ちょっとした悪い面が禁断の魔法により増幅し闇落ちへ。
根っからの悪人でもないはずなのに、救済もない。

短編映画で魅せてくれたエンターテイメントに立ち返ることはもうないのか。と思わせるほどの、商業主義で平凡な一作。

100周年映画である鬼太郎と比べてしまう。