あっさりゆで卵

ゴジラ-1.0のあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.6
ゴジラ俄かなのだけど、それでも感じるゴジラ周りの描写の見事さ。
怖くて、神々しくて、畏れる。

ただ、ヒューマンドラマ周りが好みではなく…ご都合主義というのか、あまりにも綺麗すぎる感じというのか。漂白された人間関係がなかなか口に合わなかった。

ゴジラに旧敵国を重ね、敗戦により踏みにじられた男性的プライドを取り戻す話かと思えば、反戦主義を掲げる矛盾なようにも感じ、人類のゴジラに対する加害者意識みたいなものも、欠落していたようにも思う。

『シン・ゴジラ』と比べてどうのというのは非常にナンセンスだが、作りとしては真反対で、エリート官僚にたいする民間、徹底してヒューマンドラマをカットしたのに対して本作ではそこにフォーカスを当てる。
山崎貴監督の「次やる人のハードルはとんでもなく上がってしまいましたね」というコメントが思い出される。

とは言え、世界的も大ヒットを起こしているのは素直に嬉しい。