とぅん

西部戦線異状なしのとぅんのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

昔のオリジナル版は、強烈な戦争批判映画として名高いようだけど、未見のままリメイク版のこちらを鑑賞。

もっとも、向こうはハリウッドが作ってるのに対し、こちらはドイツが作ってるというのがミソで、どこぞの国が戦争を始めている現在での意義が大きいと感じた。

最初は意気揚々と戦地に行くのを志願した若者達が、いざ戦場に行ってから直面するまさに地獄としか言いようのない体験を描く。

笑い合っていた仲間が目の前で死んでいったり、命を奪った敵兵の胸元から家族写真が出てきたり、そういう描写の一つ一つが、ドラマティックに演出されることなく、冷徹な視線で描かれていて秀逸だなと。
あと、音楽がほとんどないのも上手く機能していると感じた。

政治的な交渉の場面なんかも挟んでいて、戦場のキツさ一辺倒ではないのが個人的には救いだったかな。

終盤の終戦日時が決まった中で、最後まで敵兵を殺せと命じられて主人公が戦場に逆戻りさせられる展開は、一気にこっちの体力も奪ってきてめちゃくちゃ辛かった。
そこからの主人公の死に方もあっけないのもまた厳しい。
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