このレビューはネタバレを含みます
アカデミー賞ノミネートは、ウクライナ情勢が影響していることは間違いないだろうな。
1930年の作品を観てからすぐに鑑賞。比較しながら観ていた。
映像は本当に素晴らしい!画面に近付いて観てみるとよくわかるが、細部にわたりものすごく緻密で美しい。さすがネトフリ資本…。そりゃ、映画館で観るほうが臨場感はあるとは思うが、テレビ画面に寄って隅々まで見る楽しみ方もあるな、と思った。
以下はネタバレ(旧作のネタバレも含む)…
脚本がかなり改変されてる…。冒頭、血で染まった軍服を回収して使い回すシーンは、旧作の「あのブーツ」なんだろうな。他にもいろんなシーンが置き換わっていた。旧作にはない「フランスとの休戦協定」なんかもある。
そして、一番大きく違うのは、街へ帰らないところ。旧作ではそこが肝心な部分だったから、ちょっと残念だったな。テーマが変わってしまっていると感じた。
今作では、「休戦協定が決まっているのに出撃させられて玉砕してしまう」という悲劇にしたかったのはわかるが、従来の戦争映画と同じような印象で終わってしまった。旧作の名シーン「蝶」の方が深い余韻があったなぁ。反戦、厭戦のメッセージは旧作の方が強く感じた。
ただ、「西部戦線異状なし」をアメリカではなくドイツが作ったことに大きな意義があると思う。主人公は「ポール」ではなく「パウル」なのだ。旧作を観ていない人は、アマプラにあるのでぜひ観て欲しいな。