さき

フェイブルマンズのさきのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
5.0
遡ると2021年の年末からフィルマークスご無沙汰していたみたいです。またこれまで観た作品などちょろちょろあげます。でもこの作品は観てすぐに書き殴りたくなりました。

強烈な体験。自分の好きなことやしていること、それがなぜ好きなのか、何に魅了されたのか、そういうのを論理的に説明できたり、完璧に理解している人っておそらくほとんどいないと思います。私自身も今のところの生涯ベスト作品『恋する惑星』も正直あそこがこうだから好きとかそういった具体的に好きなところが述べられるでもなく、正直、映画そのものが好きなのか、映画内で映し出される香港が好きなのか、いまだにわかりません。本作の主人公サミーが『地上最大のショウ』観賞後、電車を欲しがったように、本当に魅了されたものの正体って結構別にあったりするんだなと。

見えているもの、写っているもの、聞いたこと、、、一見事実のように思えることが、本当のところは事実ではなかったり、真実は別のところにあったりする。そこにあるもの、そこにいる人を撮ってるだけ、だけど、それは事実なのか虚構なのか、撮っている側がわからなくなってしまうのだから、私たち観ている側だって騙されちゃう。この映画だって、自伝“的”映画なんだからどこまで本当の記憶で、もしかしたら記憶というか頭の中もフィクションでいっぱいで本当のことなんてほとんどないかもしれない。見せたくないものは隠せるし。

でも映画ってそんなもんでしょ?なんて言われてるかのような、スピルバーグ監督の手の中で転がされてるようなそんな150分。

難しく色々言おうとしたけれど、結局すごく楽しんで改めて映画の圧倒的な心に焼き付く感じ、あーいいなぁと思った次第です。
さき

さき