このレビューはネタバレを含みます
・スピルバーグのSpielには、「演じる」などの意味合いがえるが、それをもじってFable(寓話を作る、物語を解釈する)を元にした名字を作っている。この物語を作る→嘘をつくことが作品のテーマになっている。
・劇中でスピルバーグが撮った戦争映画「ESCAPE TO NOWHERE」はYouTubeで公開されている。
・映画公開のあと、主人公が「ミスター・デミル!」と言って称賛されるが、これは冒頭の映画「地上最大のショウ」の監督セシル・B・デミルからとっていると思われる。
・劇中の映画「リバティ・バランスを撃った男」は、何でもない男がメディアによってヒーローに祭り上げられる物語となっている。スピルバーグがこれを観たことが後半のいじめられた相手を映画で主人公にするアイデアの基になっていると考えられる。
・また、「リバティ・バランスを撃った男」では「物事を別の角度から見ると違う真実が浮かび上がる」ことをテーマにしているが、このことはサミーがフィルムの編集中に母親の不倫を発見してしまうシーンにも通じている。
・母親が踊るシーンを車のヘッドライトの逆光で撮影するシーンがあるが、スピルバーグはこのような逆光での撮影を自身の映画に多用している。
・エンドクレジットの「リア」「アーノルド」はスピルバーグ父と母の名前。
・劇中で紙皿でごはんを食べてまとめるシーンがあるが、実際の母リアも家事がまったくできなかったという。
・実際の父母、リアとアーノルドはお互いの再婚相手と死別したあと、復縁する。
・ラストでジョン・フォード監督に会って地平線が上か下かという話をするが、これは映画や芸術と生活、どちらかを極端に選ぶことを示唆している。