JunichiOoya

音の行方のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

音の行方(2022年製作の映画)
4.0
2005年の成立からずっと関わっておられる大友良英さんはじめプロの音楽家たちと知的障害や重い自閉の人たちとのセッションを積み重ねたドキュメンタリー。

緩く楽しいドラマ『旧グッゲンハイム邸 裏長屋』に続いて年に二度、神戸塩屋の風景を見る。

彼らが始めた「音あそびの会」→音を楽しむ=音楽、PLAY、が即興演奏のワクワクさせられる興奮と一緒に届けられ、多幸感に包まれます。

①上映中、スクリーンに登場する方々のお名前は一才クレジットされない。エンドロールに出てくるだけ。誰が何を喋り、何を演奏し、何を歌ったかではなく、会の皆んな(大家族と称しておられた)が「合奏」する様が素敵。
②当事者の家族へのインタビュー。撮影としてはここから入って随分丁寧に撮ったとのことだけど、映画の中ではまあ数分程度。撮影用のメイクもあるのだけれど、皆さん一様に美しく裕福な感じがビンビン伝わってきて、そこはちょっと戸惑う。

TVが報じたイギリス公演の番組は知らなかったけれど、お気に入りの映画になりました。

撮った野田亮さんは『地蔵とリビドー』の時は宣伝臭が鼻について嫌だったけど、今回は被写体の力が全面に出て後味の良さが出た感じです。
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