たらお

震える家族のたらおのレビュー・感想・評価

震える家族(2022年製作の映画)
3.2
家族が隠していた罪が迎え入れた養子により暴かれていくお話。
長男を不慮の事故で亡くし、悲しみに暮れる家族の元に迎え入れられた養子イサク。イサクは目が不自由(全盲ではない)のですが、時折霊が見え、ハンビョルが何かを訴えていると言い出します。
そのうち家族の日常が崩れていきーー

ミステリー寄りのホラーでした。
ハンビョルの死の真相を追いつつ家族らが抱えている傷や罪が判明していくのを静かに描いていました。
イサクにしか見えないハンビョルもそんな驚かしにきません。
窓や水面に姿を現したり、時折イサクに憑依する程度。
作中「悪魔憑き」というキーワードがちらほら出て来ますが、キリスト信者の家族だからこそそういうのに怯えるんだなと納得できましたね。
しかし父親が牧師なのに何も見えていないわ肝心な時に役立たずで頼りない……

今作のテーマは「愛を求める子供」だと解釈しました。
亡くなったハンビョル、3人の子供、養子のイサクとみな「母」の愛を求めていましたし。
母の愛を独占したい、母を守りたい(助けたい)そうした子供達それぞれの気持ちが悲劇を招いたのでしょうね。

でもハンビョルの死の真相に関してはヒントが十分すぎるほどにあったので驚きは何もなかったです。
オチもそれとなく読めたし、終盤はまだ終わらないのかとやや退屈に感じたのでそこが残念。
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