さわだにわか

2300年未来への旅のさわだにわかのレビュー・感想・評価

2300年未来への旅(1976年製作の映画)
4.0
飽食の時代に育った現代っ子なのでこのビジュアルは誠に衝撃的で、考えられないダサさと統一感のなさ、氷の洞窟で腕が蛇腹の殺人ロボットが出てきた時には美術スタッフを含めて現場スタッフが全員死んだのかと思った。作るところはきっちり作り込む。でも想像力の及ばないところは徹底して作り込まない。古いといっても70年代、先例も多々ある中で、このセットの組み方だと予算的にもそこそこ潤沢だったと思われる中で、こんな映画がどうして出来上がるのか…出来上がっていいのか…まあそこは面白かったから構わないのですが…しかし衝撃的だった。

2019年、AKIRAとブレードランナーの年。その光景の一部はすでに現実になっている。SF映画と言えばなホバーカーの開発も進んでいると(十年ぐらい前から)聞く。
年々映画の中の未来が現実に降りてきて未来が未来でなくなっていく中で、この映画の未来だけは永遠だろう。というかこれは、たぶんSFというよりフェリーニの「サテリコン」のようなファンタジーなんである。
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