このレビューはネタバレを含みます
不思議な映画体験だった。正直ちょっと退屈だな〜という気持ちで観ていたんだけど、ラストシーンが終わった瞬間に、ぶわっと凄まじい孤独感と寂しさが襲ってきて泣いてしまった。
人は自分の見たいようにしか世界を見ないので、誰かのことを思う時も、自分の見たいその人でしかない。本当に他者を理解することも、他者に理解されることもできないので、人は結局孤独であるという、悟りにも似た気持ちがわたしにはある。一方で、だからこそ、理解しようと努めたり、共に生きていくことは時にしんどいけれど、意味があるし、ある種の救いでもあると思う。
最後、さっきまでちょっと退屈だな〜と眺めていたシーンの端々がフラッシュバックするようにエンドロールの最中蘇ってきて、ものすごく寂しい気持ちになって、泣くしかなくなってしまった。
あの背中を抱きしめたくても、もうそれは叶わないのだ。でも大人になったソフィはきっとなんらかの事情でそれをする必要があった。それが父の孤独の追体験だったとしても、なんらかの救いが彼女にもたらされたことを祈る。
