Aftersun(アフターサン)…「日焼けした後に塗る保湿ローション」
スッとして気持ちの良いアレですね…
主人公は11歳のソフィという思春期真っ只中な女の子。
離れて暮らす父カラムの31歳の誕生日に、2人っきりでトルコのリゾート地へバカンスに出掛ける。
このひと夏の思い出を、父が持っていたホームビデオにおさめていた。
そして現在、、、この時の父親と同じ年になったソフィが、このビデオテープを観て…
私自身、そろそろ父が亡くなった歳に追いつきそうでして、色々と思うところが…これは絶対観たいと思って観にいきました。
想像していた単純な思い出を振り返るような映画ではなく、かといって複雑なわけでもなく、とにかく余白の多い素敵な作品でした。
劇中ほとんどが、このひと夏の父とのバカンスシーンなわけですが。
現在のソフィは何をして何を考えていて、過去のソフィも父も細かな状況や心理的な説明が一切ないのですが…
台詞や表情から垣間見える、「大人に憧れるソフィ」「大人になりきれず闇を抱える父」。そして、当時はそんな父の心境など知る由もなかった、ビデオを眺める現在のソフィ。
どの視点と共鳴しても…せつない🥺
意味深にちょいちょい入るカットバックみたいな描写だったり、少しだけ時系列が飛んだりするのですが、いわゆる記憶としての「思い出」ってこんな感じで断片的だったりするので、それを表現していたのかな。
そして改めて、この時の父と同じ年になったソフィがビデオを観ることで、繋がっていく…
キラキラしているのに、深くて悲しい…そんな映画でした。