コミナミ

葬送のカーネーションのコミナミのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
4.0
観客に与えられる直接的な情報が少なく、静寂も続くため退屈な作品ではあるけど、味わい深さがありました!

亡き妻の遺体が入った棺桶を引きづりながら故郷へ運ぶ老人と孫娘。道中に出会う人々との交流から窺える小さな営みとの対比で、生と死の概念を俯瞰的に見下ろすかのような感覚になった。

旅路の中の風景の美しさは壮大であり幻想的でもあった。ファンタジーな世界を見ているよう。特に、終盤の車中のラジオから流れる言葉は、寓話のような説得感があった。自分が観ていた老人たちの旅路は、人生そのものだったんだな…

トルコの死生観とか、そういった背景が分かるとより楽しめるんだろうなぁ。パンフレット買えばよかったかも。
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