東京国際映画祭2022 ⑧本目
ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教、仏教…様々な宗教が混在するインド。
程度の差はあれ、宗教に盲従する人々を描いた5つの短編。
5つとも全く違うジャンルだけど、どれも秀逸な作り。
こういうオムニバス系っていくつかは退屈なものもあるけど、どれも面白かったし色んな気付きを貰えた。
監督はシビアな作品からほっこり明るい作品へと意図してエピソードの並び順を決めたらしい。
宗教は人々の支えにもなるし、逆に争いの原因にもなってしまう。
それを表したかったんだろうな。
「ジャッリカットゥ」や「チュルリ」の監督リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリがプロデューサーに名を連ねてる。
特にエピソード2のワケ分からなさと異様な雰囲気はリジョー監督みが感じられる。
ちなみにアマン監督は無神論者らしく、だからこそ特定の宗教に偏らない作品になっている気がする。
Q&Aの質問で、監督はリジョー以外では「マントー」を意識したと語っていた(特にエピソード1)。
あとエピソード5の牛糞集めは監督の実体験を基に話を膨らませたとのこと。
日本人からするとビックリするけど、ヒンドゥー教では牛が神聖なものとして扱われているので、糞を使用する儀式や祭が多数あったりします。
そう言えば「グレート・インディアン・キッチン」でも穢れた身体を清めるために牛糞を食べろ言われるシーンがあったなぁ。
以下、短編それぞれのタイトルとあらすじ。
1.RIOT
宗教対立から起こる悲劇。
宗教の名のもとなら何でもやっていい訳じゃない。
2.BLIND(盲目)
顔に本を括りつけた異様な人間たち。
宗教への盲従と矯正をシンボリカルに描く怪作。
ちなみに俳優さん達は前が全く見えない状態で演技してたらしく、監督としても1番撮るのに苦労したとのこと。
3.WOOD(木)
それぞれの宗教における葬式にまつわるお金事情をブラックジョーク的に見せてくれる。
4.PULAV(焼き飯)
ウーバーイーツ的な配達の仕事に就いた女学生が運べないものとは…。
5.A PETEL(花びら)
葬式に必要な牛糞集めることになった少年。
知恵と勇気と友情、そして花びら。