Yutaka

リオ・ブラボーのYutakaのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
3.7
赤狩りが始まりハリウッド全体に暗いムードが漂う中、映画自体もその雰囲気を反映しだした時代。そんな中、ハワード・ホークスとジョン・ウェインが古き良き西部劇を復活させようと試みた西部劇リバイバルとも言える本作。
とにかくゆったりとしたテンポが続く。各キャラクターはとにかく分かりやい性格になっているし、ヒロインのアンジー・ディキンソンはハワード・ホークスが理想とする女性像。脚線美とその美貌。この映画は悪く言うなら茶番劇かもしれないけど、白人おじさん達の旧世界へのノスタルジアの結晶のような本作は、この時代とはかけ離れた世代の自分が見ても不思議と郷愁を覚える人の温もりに満ちている。特に銃撃戦のユルさが良い。この前見た『ワイルドバンチ』の真逆のような映画だった。
ハワード・ホークスが今作を手掛けた経緯は、社会規範のコードが次々と更新される現在に2000年代のコメディを見たくなるような気持ちと似てる。タランティーノがめっちゃ好きなのはよく分かる。
Yutaka

Yutaka