Yutaka

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版のYutakaのレビュー・感想・評価

5.0
ハーヴェイ・カイテルのベストアクト。どうかしてるほど面白い。モラルもクソも無い酒、女、ドラッグ、ギャンブル狂いのスーパー悪徳警官の破滅型コメディ。それでいて映画としてカッコよすぎるのが罪すぎる。こんな内容の映画をカッコよく撮ってしまったアベル・フェラーラはハーヴェイ・カイテル以上に懺悔するべき。
めちゃくちゃクソなんだけど、ハーヴェイ・カイテルの演技が凄すぎてクソさより面白さと哀れさが上回ってくる。まあ気の狂った演出の賜物でもあるけど。全裸で喚いて、世界一惨めな自慰をして、遂に自分の哀れさを知る事となる残酷な慈悲の前に泣き崩れる男。ここまで権力に守られた弱さを晒し上げる映画はそうそう無い。
ビックリしたのがクラブの場面。この手の映画でまさかセンスのいいクラブが出てくるとは。当時のNYのアングラjungleシーンど真ん中のクラブでガンギマるハーヴェイ・カイテルえぐすぎる。
あと当時のメジャーリーグ知ってるので余計に面白かったです。因みにハーヴェイ・カイテルが推してたドジャースのダリル・ストロベリーは、ドラッグによってキャリアを破滅に追い込まれた末に、色々問題を起こしまくった超スキャンダラスな選手です。
これは流石にオールタイムベスト入り。
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