よねっきー

リオ・ブラボーのよねっきーのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
4.6
ほのぼの愉快な西部劇って感じで良かった。物語はゆるゆる進むが、決してダラダラとはしてないので飽きない。シンプルなストーリーの割に若干長尺だけど、そこにこそ、この映画の価値がある気がする。

おれは『瞳をとじて』の元ネタを観たくて観たんだけど、どちらの映画も流れている時間が豊かだ。もちろんエンタメではあるんだけど、冒険感よりも生活感が重視されているような気がする。舞台も狭い町で、ホテルと酒場と詰所を行ったり来たり。保安官が主人公の日常系ドラマっぽく見える。

渋い顔したジョン・ウェインが、結構軽率にすっ転んだり気絶したりするのがキュートだった。「牢屋に入れられるのはあいつの方なのに!」というスタンピーの台詞にも象徴的だが、ホークスの映画に出てくる男は、男っぽいけどマッチョじゃない。むしろその間抜けさに「男らしさ」をホークスは見ていたんじゃないだろうか。

最後のドンパチも、めっちゃ変な質感のシーンで好きだった。「花瓶を投げに来るかも」って台詞でドラマを予感させておいて、あんま仲間とか関係ないダイナマイト乱打で終わる。それもダイナマイトを投げて撃つだけ。たいした駆け引きもなく、ひとり遊びじみたスポーツ的な描写に終始する。そんでみんな降参降参、と手を挙げて出てくる。そのままロマンス。映画が終わる。ああ愉快。ホークスもっと観る。
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