ゆたり

理想郷のゆたりのレビュー・感想・評価

理想郷(2022年製作の映画)
2.8
正直に申し上げると、ちょっと肩透かし感は否めず...
サスペンスという程でもスリラーという程でもなく、特段のカタルシスがある訳もなく、フックの効いた含蓄がある訳でもなく、メンタルをバチバチに折られるほどな悲劇が起こる訳でも無く(起こってはいるけど予想の範疇だし)、ただただずっと不快さを味わわされただけような...
Twitterやらで流れてくる、ヤバい煽り運転手に絡まれちゃう的な動画をずっと見ているような感覚に近かったかもな。

田舎特有の排他的な陰湿さを描くには、基本的に敵はヤバい兄弟2人だけだし、
故郷(田舎)に縛られたまま外界を知らず、無学で、貧しい暮らしを淡々と繰り返していくだけの悲惨さ(すごい失礼な言い方だけど)を表現するには、理論的な話を本当にちゃんと理解できない描写(景観破壊・環境破壊のことなんか解らん!という具体的なやり取り)をもっと見せてくれないとわからんし、兄弟の暮らしぶりがどれだけ惨めかも、兄弟の営みの様子を見せてくれんとわからんし、言動の非理論的さを見せるには、主人公側の傲慢さが垣間見えたり、主人公の方が感情的になっちゃってただの煽り合い化した場面も多々あり、そのせいでコントラストが作りきられてない感じが(向こうの方が断然悪いことしてるし、そら人としてそうなっちゃうかもしれないけどさ)なんとも煮え切らないというかむず痒いというか。

ぼく史上トップクラスにただ嫌な気持ちになって終わっただけの作品かもしれんな
映画的な面白さがあまり見つけられなかった...

ティタンおバカだけどかわいいかわいい
娘さん美人
行政そんなに働かないのか?
「どうなる?どうなっちゃう?」のソワソワ感は無く、「なんやこいつら暇なんかい!おもんないのう!!!」
というイライラ感が強すぎてしまう
(会社の飲み会のノリが面白いと思えず苛立つ自分を思い出した)
あの後に兄弟がちゃんと捕まるかどうかを描かないのは、正直ただの放棄に思えたな。
そこに想像して楽しむ余地は無い気がする。

兄弟との対話シーンは良かったけど、アントワーヌにはもっと堪えてほしかった...
ゆたり

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