ゆたり

哀れなるものたちのゆたりのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
「人生は喜劇である」
悲劇を超えた先にあるもの

画面も音も、奇妙でユニークでどこかグロテスクで、圧倒的に美しい。

本能と倫理
社会と欲求
魂と肉体
哲学と衝動
リアリティとファンタジー
根拠と感性
肉体の欲求と魂の欲求

設定や画面がファンタジーの極地かましとるのに、作品の抱えるテーマ(テーマ...?)や出てくる会話はリアルもリアル。鼻がツーンとしちゃう。
なにこの振り幅、すごいじゃん(チャンピオンズ大崎)

衣装・美術が最高すぎる........................

エマ・ストーンさんすごいねぇーーー
挙動はまだしも、顔付きまでも本当に子供から大人になっていったように見えた。なにあの表現。なにしてんの?
その時々の魅力の表し方が、すんごい
無垢の魅力、無邪気の魅力、聡明の魅力、達観の魅力
なにあの表現。

なんか、人間の色々な全てを見せられたような感覚だなぁー
人生と社会と世界と思想と倫理と、なんかもう色々ですわ!色々見せられた感じですわ!

本当なら重々しい場面のはずなのに、しょーもない(最高な)シーンぶち込んで笑わせてきちゃったりして、本筋を崩さないけど軽妙な微笑みを与えてくる奇跡的なバランス

己の中身と向き合い、挑戦をして、新しいことを知り、興味を満たし、経験を積み、自分に進歩を促した結果、ここにいるのが落ち着く。と知る。
めちゃくちゃ背中を押してくれる作品だなぁ!!!
やっぱやってみねぇとわからんよなぁ
そこだけの浅はかな作品じゃないけどさ

男たちの様々なみっともなさ、そして確かにある魅力を見られたな。
みんなダサい。でも、素敵。でした。

素晴らしさを言語化するのに難儀する作品ですな

人はみな哀れ
その哀れさを愛していきましょうや
ゆたり

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