いの

ほの蒼き瞳のいののレビュー・感想・評価

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)
4.0
時期:1830年
場所:ウェストポイント陸軍士官学校
事件:いくつか起きる殺人事件


次にNetflixに入ったときには観ようと思っていた作品。タイトルの〝ほの蒼き瞳〟がまさにその通りで、ほの蒼さ&雪の白さ、そして室内の焔が、中世の世界のようにも感じられて、哀しみ深き上質なミステリーになっていると思いました。ミステリーなので、内容については観てのお楽しみということにしたいと思いますが、鑑賞後に、哀しみが底なしのようになってきてしまって、ちょっと困ってます。クリスチャン・ベイルは流石だし、ハリー・メリングの熱演も記憶に刻みたいです。再鑑賞の際には、クリスチャン・ベイルの心境を、もっと注意深く、もっと繊細な心持ちで観ていきたいと思います。


難事件を解決しようとするのは、元凄腕辣腕刑事オーガスタス・ランドー(クリスチャン・ベイル)と、エドガー・アラン・ポー(ハリー・メリング)のバディ。エドガー・アラン・ポーは、この映画の時代設定である1830年に本当にウェストポイント陸軍士官学校に在籍していたようで、彼がその時にもしもクリスチャン・ベイル演じた人物に出会っていたとしたら、それはその後に彼が描いた小説の主人公(オーギュスト・デュパン?)に反映されているのだろうということを妄想できる、アラン・ポー作品ファンにとっては、たまらない一品となるのではないでしょうか。わたしは1作も読んでいないので全然わかっていないのですが、それでもそんな想像を鑑賞後に膨らませていくのも楽しいです。
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