評判を聞き及びWOWOWで。
しかし、これは映画館の暗闇の中で鑑賞すべきだった。ミステリー史劇の秀作。
朝鮮王朝時代の実在の怪死事件を基にしているということ。
朝鮮史に疎いものでどこまで史実でどこまで脚色が浅学にも判らないのだが、日本で言えば徳川幕府時代の史実を基にした時代劇ぐらいのイメージなのだろうか。この手の作品は縁遠く、諸々のディテールなど興味深く観た。もっとこの手の作品を観るようにしよう。
主人公の特異性を作劇のキーにしつつ、現代社会にも通じる「権力の前に見るべき事を見て言うべき事を言う事が出来るか」というテーマ性を浮き彫りにさせる巧みさ。
どうしてもルック的にも韓流ドラマのような軽さを感じてしまうのは惜しいところだったのだが、それはこちらもサブスク鑑賞にしてしまった落ち度を認めるところ。
目を凝らして暗黒を凝視し、わずかに漏れ聞こえてくる音に耳をそばだてる。映画館での鑑賞こそ最適解。
髭のせいもあって、王様がユ・ヘジンと認識するのに時間が掛かった。
しかしそれぐらい巧いという事よね。
小市民的な役柄が多いけれど、こういう重厚且つ相応の狡猾さや脆さを見せる役もこなせちゃう。
